全てを捨てたい衝動に駆られた時ほど気合いでその場に踏みとどまると基本能力が上がる②
私の場合、全てを捨てたい衝動に駆られた瞬間がある日訪れた。
鬱に転落して初めて私には助けてくれる人が誰一人いないことに気づいたのが大きなきっかけになった。周りには頼られることはあっても親を始め頼れるものが一つもない現実に薄々気づいていたもののはっきり自覚したのだ。
そしてそんな中で前世を見たため輪廻があると確信してしまった。
そうなってくると自殺が出来ない。死んだところで苦しみが先延ばしされるだけだからだ。だとしたら現状でなんとか立てなおさなきゃと模索の日々が始まった。そんな中で頼れるものがなさ過ぎて霊的真理を実践するようになったのだ。守護霊の存在に気付いたのはその流れによるもの。
真理の追求をすればするほど気づきは増えていった。鬱も辛かったが真理に照らし合わせてみると今世の舞台が現在そうなっているだけの話で魂が壊れるわけではないし、まあ辛くても死んだら必然的に終幕するからとどこか自分を客観視できるようになっていった。
鬱がだいぶマシになったなと思った頃。
仕事・お金・家族・彼氏と色々なことがうまくいかないなりになんとか毎日生きていたのだがある日ふと、
⚫︎これがそもそもゲームだったら…
⚫︎リセットボタンがあったとしたら…
⚫︎一からやり直せるとしたら…
現状持ってるもの全てに全く未練がないことに気づいてしまったのだった。悲しいことにリセットボタンがあったら迷わず押す自信があった。その時点で一つも本心から大事にしたいものがなかったのだ。大体のことは義務感から動いていたし、本当に大事なものがなにかわからなかった。言ってしまえばどこか好きじゃないものの寄せ集めの中で生きていたし納得できているものは環境を始め一つもなかった。
👩🦰「なんてことだ。抜け殻みたいな人生を歩んでいたわ…。」
心から望んだものは一つも持ってなかった。彼氏すら、好きだっていってくれるからまあいいやといった感じ。それに気づくとなんだか全てがイヤになり心が疲れてしまっていた。
👩🦰「全てを捨てて誰も知らない場所で一からやり直したい…。」
そんな想いに駆られる時間が増えていった。
そう思っていたやさき、友人のご主人が不倫した。
不倫の末に他所で子供を作っていたことが発覚したのだ。人と向き合わず自分の快楽に忠実な人だなとは以前から思っていたのだが、そこまで!とかなりびっくりした。
しかし、その反面その場に引き合う私は似たり寄ったりなんだろうなと思った。だって波長が少なからず引き合うからその場に居合わせたのだ。
だとしたら、彼と似たような自己中な側面が私にもありだからこそ彼と顔を合わせる関係だったのだろう。では今の私にできることは一体…?
考えに考えた末一つの結論に達した。
何一つ納得できるものはない環境だったけれど、それは愛せない今の環境を愛してみようという試みなのでは?私自身は今全く楽しくないし苦しいばかりだけれど、魂はこの環境を望んだとしたら。
逃げだすことは簡単で、嫌気が差した環境を捨てない選択をすることがこんなにも苦しいなんて。
魂がそれを望むのならば目の前にいる人、一人一人と本心から向き合う努力をしよう。例え愛せなくても愛する努力はしてみよう。そして今まで放棄してきたツケを今世で回収しよう。
それ以上の解決策は全く思い浮かばなかった。
最悪今世はもう因果の回収に集中しよう。全て自業自得なのだから。
言葉にすると大したことないのだけれど、実際にやるのは本当に苦痛の一言。自由をなにより愛する私にとってそれは苦痛以外のなにものでもなかった。
その日、金曜ロードショーで魔女の宅急便を見ていたのだけれど、新しい世界に飛び込もうとするキキとは対照的に逃げ出したい環境にとどまると決めた自分に涙が止まらなくなってしまい眩しくて最後まで見られなかったのだった。
③に続く。